日本の光学技術を牽引してきた、株式会社オプトル(OPTOWL)より3名の講師をお招きしました。当日は講義室の定員を満たす多くの学生が詰めかけ、熱気あふれる講義となりました。
■ 講師のご紹介
技術戦略担当:石塚 健一 氏
(ビジネスインキュベーションセンター オプティカル研究グループ)
人事・組織担当:小島 浩幸 氏
(経営管理室 人事グループ)
本学卒業生:安保 千秋 氏
(事業統括本部 メタオプティクス事業部 開発室 モジュール開発グループ)
開発の最前線から常識を覆す次世代技術「メタレンズ」への挑戦
講義では、オプティカル研究グループの石塚健一氏が登壇され、同社の誇るコア技術と未来の技術戦略についてお話しいただきました。
オプトル社は、レンズ加工、精密成形、薄膜蒸着、マイクロプロセスの4つのコア技術を垂直統合し、自動車の安全運転を支える「ステレオカメラ」や「ヘッドアップディスプレイ(AR-HUD)」などの分野で世界トップクラスのシェアを誇っています。石塚氏が実際の製品の構造図を示しながら解説すると、電気電子工学を学ぶ学生たちの視線は一斉にスクリーンへと注がれました。
次世代光学素子として世界中から注目されている「メタレンズ」についてもご紹介がありました。光の波長よりも微細なナノ構造体を配置することで、従来のレンズでは難しかった収差補正や超薄型化を実現するこの技術は、スマートフォンや医療機器、自動運転センサーの概念を根底から変える可能性を秘めています。「世界初、世界一の技術をこの東北(花巻)の地から発信する」という石塚氏の力強い言葉に、学生たちは先進技術が切り拓く未来を肌で感じている様子でした。
変革期の組織:社会で生きる「ブレない軸」と問題解決力
人事グループの小島浩幸氏より、変革期を迎えた同社の「人財・組織戦略」について、学生への温かいメッセージを交えながらご講義いただきました。
オプトル社が掲げるのは社員一人ひとりの「自律」と「信頼」であり、組織がフラットかつシンプルになったことで、現場の改善提案が迅速に経営判断へと繋がり、若手でも大きな裁量を持って挑戦できる風土が醸成されている現状が、具体的なエピソードと共に紹介されました。
小島氏は、これからの社会で求められるのは単なる知識ではなく、「チームで課題を特定し、乗り越えていく『問題解決力(社会人基礎力)』である」と指摘しました。学生たちは、目前に迫る就職活動や将来のキャリア形成を見据えながら、熱心にメモを取っていました。ワークライフバランスを大切にしながら、自分らしく働き続けるための「ブレない軸」の重要性を説く小島氏の言葉は、学生たちの心に深く響いたようです。
先輩からのエール:大学での試行錯誤が、世界に挑む血肉となる
講義の後半、本学の卒業生である安保千秋氏(モジュール開発グループ所属)が登壇すると、会場の空気はさらに和やかになりました。
安保氏は、大学時代に学んだ基礎知識や、実験・研究で培った「仮説検証の繰り返し」が、現在の製品開発(モジュール開発)の最前線においていかに重要な血肉となっているかを語ってくれました。
時に苦労した学生時代のエピソードを交えつつも、現在は「世界に流通する製品の設計に携わる面白さ」を生き生きと語る安保氏の姿に、学生たちは未来の自分自身の姿を重ね合わせるいる様でした。女性エンジニアとしてのライフステージの変化や、それを支える企業の柔軟なサポート体制(リモートワークや育児休暇など)についてのリアルな体験談も、非常に有益な情報となりました。
「大学院へ進学してから就職するのと、学部卒で就職するのでは、企業に入ってからのキャリア形成にどのような違いがあるか」「変化の激しい時代において、自分の『ブレない軸』をどうやって見つければよいか」といったキャリアに関する質問に焚いて、丁寧にご回答いただきました。その丁寧な対話の様子からは、オプトル社が大切にしている「人に寄り添う姿勢」がそのまま伝わってくるようでした。
学生たちにとっては、単なる「就職先としての企業」を知るだけでなく、自らが大学で学んでいる専門知識が社会をどう変え、人々の幸福にどう貢献できるのかを実感する、大きな道標となったはずです。
多大なご協力をいただきました石塚氏、小島氏、安保氏をはじめ、株式会社オプトルの皆様に、この場を借りて厚く御礼申し上げます。






